マッドハッターが知っている真実

さびれた病院の冷たい待合室。

「的場太一さん、診察室にどうぞ」

看護師さんの案内に促されるまま、オレは担当医の待つ診察室に入った。
医者はオレの顔が青いのを見て厳しい表情をした。

「的場さん、最近は眠れていますか?」
「はい。いただいた薬のお蔭で、なんとか眠れるようにはなりました。ただ、毎夜、変な夢を見るんです」
「変な夢?」
「ええ。まるでオレが不思議の国のアリスの世界の登場人物になったかのような夢です」

オレは毎夜、薬を飲んで横になると不思議な夢を見ていた。
仕事に追われ、上司と部下に板挟みで責任を負わされる現実の世界と比べて、この世界はなんて居心地がいいんだろうか?

しかし、この世界が夢だと他の住民に言おうとすると夢から覚めてしまう。オレはこの世界で何をすべきなのだろうか?

追加ミッション

・この世界があなたの薬による幻覚の世界だと誰にも知られてはいけない。