イモムシが知っている真実

私は人間の研究者だった。白衣を着て、眼鏡をかけて思索にふける科学者だ。

この世界に起こるあらゆる事象は科学的に証明できると信じていた。
不思議なものなど何もない。人類に理解不可能な何かがあるとすれば、それは、決して「超常的な何か」のしわざなどではなく、単にまだ解明されていないか、原因があまりにもバカバカしくて議論の必要がないかのどちらかだと思っていた。
それでも私はロマンを求めた。故郷の惑星から何万光年も離れた宇宙ステーションで、人類以外の知的生命体を探し続けていた。なぜか?面白いからだ。

現在の科学と調査の結果、我々と同じ知的生命体は、故郷の星以外のどこにも存在しないことが分かっている。
しかし、それでは――あまりにも寂しいではないか。この広い宇宙の中で、人類の住んでいる星がたった一つしかないなんて、そんなのは悲しすぎる。

ある日、惑星シラーロスという厚い雲に覆われた惑星の調査をすることとなった。
探査ドローンによると雲の下には広大な海が広がっており、何も危険など無く、大気成分も地表の状態も、故郷の星によく似た状態だという。
しかし、2度に渡って行われた調査隊は消息を絶っている。
私の使命はその原因を調査することだ。

なぜ、惑星シラーロスは私たちを拒絶するのか?
今まで出会ったことのないような謎に直面して、私はたぶん興奮していた。
このつまらない世界から飛び立てるような予感がしていた。

小型調査船で惑星に降下し、小さな島に着陸した。
計器は大気組成が安全だと示していた。
宇宙服を脱ぎ捨て、大地を足で踏みしめる。
その時、大気を揺るがす小さな振動音が響いた。
まるで惑星そのものが意思を持っており、私を迎え入れたような気がした。
突然の落雷。私はめまいを覚え、そのまま意識を失ってしまった。
発生したプラズマ雲に電子と分子のレベルまで分解された。私は人の姿を保てず、その未知の惑星でさまようことになった。

しばらく気を失っていたようだ。
朝、なにか気がかりな夢から目をさますと、自分が大きなキノコの寝床の中で一匹の巨大なイモムシになっているのを発見した。

追加ミッション

①あなたはこの惑星の住人ではないことを誰にも知られてはいけない。話せば、あなたはこの世界から消されてしまうかもしれない
②この世界の秘密を見つけ出す