魔法の言葉の導き出し方

上図のように地図を重ねると、紫色の模様でWINGという文字が浮かび上がります。



解説

アリスを殺した犯人は誰だったのでしょうか?

犯人は双子の美少年の片割れ、黒いブレザーのルディーです。彼はひねくれた性格なので、ハッピータウンでセイウチを「いい人」と言っていました。彼は嘘つきなのです。

彼はアリスのことが大好きでした。
オウムが「双子の片割れはアリスのことが大嫌い」と言っていましたが、このオウムも嘘つきです。
ルディーは本当はアリスのことが大好きなのでした。
アリスはみんなに好かれていたので、何か自分に振り向いてもらう方法がないか考えました。

ルディーはアリスに告白しようと思い立ちます。
そこで悪徳商人のセイウチが持つ魅了の魔法の薬を手に入れようと考えます。この薬を飲めば、アリスも自分のことを好きになってくれるに違いありません。

トカゲのビルのようにキノコを採って売ろうとしますが、もっと手っ取り早い手を思いつきました。泥棒に入って盗んでしまえばいいじゃないかと。
ルディーは夜中、セイウチの店の窓を壊し、忍び込んで魔法の薬瓶を3本盗み出しました。小さくなる薬と大きくなる薬、そして最後の1本は魅了の薬を盗んだつもりでしたが、同じピンク色のあべこべの薬を盗んでしまいました。

そして、王様に習った綺麗な筆跡で手紙を書き、アリスをお茶会のテーブルに呼び出します。
(マッドハッターの書いた文字はお世辞にも綺麗とは呼べない文字ですから、手紙の差出人ではありませんね!)
呼び出しどおりにお茶会のテーブルに訪れたアリスの前で、ルディーはピンク色の液体(彼は魅了の薬だと思っていますが、本当はあべこべの薬)を飲んでしまいます。
あべこべの薬を飲んだ者は、言葉や行動が真逆になってしまいます。

「ボクは君のことが好きだ!」

ひねくれているルディーなら、「君のことなんか嫌いだ!」と言っていたでしょう。
でも彼はあべこべに自分の気持ちを言ってしまいました。
大好きだった気持ちもあべこべになって、毒であるキノコをアリスに差し出し、殺そうとしてしまいます。

アリスは図書室のすべての本を読んでおり、あべこべの薬のことも知っていました。
ルディーのおかしな様子から(普段の彼なら、好きだなんて言いませんからね!)、すべてを悟りました。
ルディーはきっと魅了の薬とあべこべの薬を間違えてしまったのだと。
アリスに好きになってもらいたかったゆえに、誰かを殺すまで一生解けない呪いにかかってしまったのだ、と。

アリスはルディーから毒キノコを受け取り、食べました。
アリスが死んだことで、ルディーの呪いは解け、彼は気絶してしまいました。

そこへ、二人を心配した双子のもう一方の片割れ、ルーダムがやってきます。
アリスが死に、その傍らでルディーが気絶している状況を見て、聡明なルーダムもアリスと同様にすべてを悟りました。
ルディーを守るため、気絶しているルディーに小さくなる薬を飲ませ、彼を小さくしてからポケットに入れ、この場から逃げ去ります。

森の奥の沼地まで来ると、ルーダムはルディーに大きくなる薬を飲ませ、体をもとの大きさに戻しました。
ルディーが目を覚ました時、呪いの効果により、飲んでいたときのことは忘れてしまうはずです。 大好きなアリスを殺してしまったことも――。
ルーダムは、すべてを黙っていることを決意しました。

そして、アリスの死体をマッドハッターが見つけたのでした……。

FIN