「私はいったい誰なんだ?」

私はいつからイモムシだっただろうか?

思索にふけりながら、タバコをふかし、けむりを吐き出す。
巨大なキノコのやわらかい傘の上に身をうずめて海の向こうの水平線とやわらかい紫色の空の間を眺める。

私はもう何年こうしているのだろうか?つい昨日だったような気もするし、もう何万年もこうしているような気もする。
どうも記憶を失っているように感じる。頭がおかしくなっているような気もするが、むしろ、冬の朝のように冴え渡っている気もする。これはこのタバコの成分によるものだろうか?

最近、どことなく水平線が暗くなってきているような気がする。
ここ数日、キノコの丘にはアリスという少女がやってくるようになった。
彼女はいつだって、刺激的な質問を投げかけてきた。

なぜ?どうして、この世界はハートの女王が支配しているの?
なぜこの世界のキノコは大きいの?
どうしてトカゲがハシゴを持っているの?
なぜウサギが2本足で歩いているの?
など、質問は尽きなかった。

なぜそんな当たり前のことを聞くのか分からなかったが、そういうものなんだと大人の説明をしてやった。
君も大人になれば分かるよ。世の中には、どうにもならない、説明ができないことが多いのさ。あまり考えすぎないことだ。
ドードーみたいにぐるぐる回って、堂々巡りにならないように気をつけるしかないのさ、と。

そんなある日、時計ウサギが急報を知らせた。アリスが死んだ、と。
私はショックを受けた。
あの騒がしい娘がいなくなったら、誰がこの夢の無い、誰もがあきらめた世界に、希望を投げかけてくれるのか、と。
彼女がなぜ死んだのか?これは私が解くべき謎だろう。

ミッション

・アリスを殺した真犯人を見つけ出さなければならない。