幸せのカタチ 最終話【個別リアクションC:箱を開ける】
諦めない心
姫とそのフィアンセ・ウロの間にある問題を解決するためには、やはりこの木箱の中にある指輪を取り出さなければならない。
そう感じた【白井花】と【北楯さくら】は、何度試みても開かずのままの木箱をじっと見つめる。
ウロもどうにかしてこの箱を開けたいのか、ふたりに懇願するような視線を向けてきた。
「うーーーん、どうしよう……。やっぱり最終手段に行くしかない?」
「待って花ちゃん。参考までに聞くけど、最終手段って?」
「物理」
ブン! と腕を振って木箱を壁に投げつける動作をする白井花に、ウロは首がもげるほど横に振り、北楯さくらははぁと深い嘆息をする。
「想いが込められたものを壊すなんてダメよ」
今度はウロが首を縦に振る。
「やっぱりダメ?」
「なんでいいと思ったの……」
「じゃあさーもうさー、この箱の中の指輪にこだわらないで、近くで別の指輪を買ってもいいんじゃない?」
白井花の言葉に、ウロと北楯さくらがきょとんと目を瞬かせた。
ふたりが口を開く前に、白井花が続けた。
「あ、そっか! そんなお金ないんでしたっけ! 甲斐性なしですもんね! すみませーん!」
「うぐうぅっっ!!!!」
白井花の言葉がクリティカルヒットしたのか、ウロは盛大に胸を抑えて倒れた。
「……花ちゃん、婚約者さんがどうしようもないからって、もう少しトゲを抑えて……」
「だってお姫様がかわいそうだなって。こんな男にはもったいないじゃん。幸せになってほしい!」
倒れて視界から消えたのをいいことに明け透けに言葉を交わすふたりだが、「どうしようもない」や「かわいそう」「もったいない」あたりで追撃のダメージを負っている様子のウロが床に転がっている。
「はぁ……仕方ないから、別の最終手段をとりましょう」
「別のって……壊すのと、新しく調達する以外にあるの?」
「もちろん。私たち素人が無理に開けようとしないで、本職のプロに相談すればいいでしょ」
「あ!」
餅は餅屋。鍵は鍵屋。
ふたりは木箱を持って喫茶の周辺にある鍵屋さんのもとに向かう。
……その後をウロが慌てて追いかけていったのだった。
担当:繭
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