「ディープアクセスキー」を手に入れ
平穏を望んだ

あなたはすべての記憶を取り戻した。……しかし、あえてこの場所に残り、すべてを忘れることにした。

元の世界に戻ったとしても、もうあの頃には戻れない。記憶の中の図書館に、人間だったころに好きだった恋人はもういないかもしれないのだ。それならば今のあなたを受け入れ、必要としてくれるこの世界で生きていこうと決めた。

この図書館棟でいつもと変わらない日常を過ごし、司書のあの子から本を受け取る。ただそれだけでいいのだ。もしかすると、記憶を失くして同じ日を繰り返すあの本の主人公のように、あなたは毎日あの子に恋をするかもしれない。そんな生き方も面白い。

たとえ記憶がなくなろうと、自我を失おうとも、あなたの魂(アニマ)に芽吹いた花は、枯れることなく咲き続ける。いつまでも、永遠に、あなたの力の源として、色鮮やかに輝くだろう。

「ディープアクセスキー」を
手に入れられず
平穏を望んだ

あなたは結局「ディープアクセスキー」を手に入れることはできなかったが、この図書館棟に残ることを選んだ。

たとえ記憶を消され、自我を失おうとも、あなたの中に芽吹いた恋という名の一輪の花は、確かにあなたの魂(アニマ)の中で咲き誇っている。その事実が、あなたが生きる原動力として、この先もあなたを支え続けるだろう。

これからも、ずっと変わらないけれども、決して退屈ではない輝かしい毎日が続いていく。図書館司書のあの子に会えると思うだけで、生まれ変わったような新鮮な気持ちで朝を迎えることができるだろう。

あの本の主人公もこんな気持ちだったのだろうか。記憶が消えてはやり直し、また同じ相手を好きになる。こんな生き方も悪くない。あなたは心穏やかな気持ちで眠りにつくのだった。

「ディープアクセスキー」を手に入れ
挑戦を選んだ

記憶を全て取り戻した。あなたはもちろん、元の世界への扉を開いた。

あの頃とは異なり、あなたの身体はアンドロイドになってしまった。人間だったころに愛した恋人は、まだあなたのことを待っていてくれるだろうか? すでに新しい幸せを手に入れているかもしれない。そうでなくても、アンドロイドになったあなたを受け入れてくれないかもしれない……。

それでも、どんな困難が待ち受けていようとも、あなたは魂(アニマ)に芽吹いた感情を決して枯らしてはならないと誓った。あなたは愛する者のために、もっと、もっと強くなる決心をしたのだ。

そうと決めたら、あなたはかつての恋人との思い出の図書館へと向かわずにはいられなかった。これは過去との決着であり、未来への挑戦でもあるのだ。あのとき守れなかった約束を果たすため、あなたは力一杯走り出したのだった。

「ディープアクセスキー」を
手に入れられず
挑戦を選んだ

結局「ディープアクセスキー」は手に入らず、自分が何者なのかを思い出すこともなかったが、あなたは外の世界に出ることを望んだ。

図書館棟に残れば毎日、司書のあの子に会えるだろう。しかし、あの子を愛したこの記憶も自我もいずれは消されてしまうのだ。それはあなたには耐え難いことだった。

愛しいあの子を見守ることができなくなるが、この気持ちを失いたくはない。あなたの魂(アニマ)に芽生えた恋という名の一輪の花を大切にしたかった。

継続的なメンテナンスを受けられなくなったアンドロイドは、いつか壊れて動けなくなってしまう。しかし、たとえその身が朽ち果てようとも、心の底からわき起こる熱い想いは、あなたの中に残り続ける。そう思うと不思議と力がみなぎってきた。ここからは、新しい生活が始まるのだ。

こうして、あなたは自分探しの第一歩を歩み出したのだった。

ライター:Yu

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