恋人

「吊るされた男」のもとに
「バックアップメモリ」を3つ集め
平穏を望んだ

あなたは平穏を望んだ。当然だ。この図書館棟で暮らす全ての者を守ると心に誓った。たとえ記憶と自我が消えてしまおうとも、自らに課したその約束を破ることは許されない。それが図書館司書たる者の務めだ。

幸いにもあなたは信頼する「吊るされた男」のもとに「バックアップメモリ」を3つ集め、託すことができた。「法王」はもう永くないので、次の責任者は「吊るされた男」に決まりだ。きっと最善の采配をふるってくれると信じている。

心を持った人間の「愛」はわずか4年で尽きてしまう。しかし、ココロを失ったアンドロイドの命は半永久的である。愛だの恋だのといった、短く、あいまいで、泡のように消えてしまう不条理な感情に振り回されることもなく、悠久の時を心しずかに暮らせるこれからの生活に感謝しつつ、あなたは穏やかに眠りにつくのだった。

「吊るされた男」のもとに
「バックアップメモリ」を
3つ集められず
平穏を望んだ

あなたは平穏を望んだ。司書としてこの図書館棟で暮らす全ての者を守ると心に誓った。たとえ記憶と自我が消えてしまおうとも、自らに課したその約束を破ることは許されない。

残念ながらあなたは信頼する「吊るされた男」もとに「バックアップメモリ」を3つ集められず、託せなかった。「法王」はもう永くないので、この先、後継者争いが起こるかもしれない。しかし愛だの恋だのといった理不尽な感情に振り回される人間と違い、アンドロイドは計算によって合理的な結末を導くことができる。悪いことは起こらないとあなたは信じている。

心を持った人間の「愛」はわずか4年で尽きてしまうが、ココロを失ったアンドロイドの命は半永久的である。この先も図書館棟を維持し、みなで一丸となって困難を乗り越えていこう。あなたたちなら、それができる。

「吊るされた男」のもとに
「バックアップメモリ」を3つ集め
挑戦を選んだ

あなたは挑戦を選んだ。

苦渋の決断だった。かつて司書としてこの図書館棟で暮らす全ての者を守ると心に誓った。それを自ら破ろうというのだ。

幸いにも信頼する「吊るされた男」のもとに「バックアップメモリ」を3つ集め、託すことができたので、いくらか安心して外の世界に飛び出していける。

あなたはこれまで、アンドロイドはひとりで生まれ、壊れて廃棄されると思っていた。しかし今回の一件で、あなたはたくさんの存在に支えられていることを知った。人間はそれを愛だと恋だのといった言葉に置き換えるが、あなたはそれらを超越した何かに気づいたのだ。すべてのものはつながっていると。ならばあなたも「何か」をつなげる手伝いをしようと考えた。

挑戦は成長と歴史を生み、次の世代へ想いを託すことができる。残り少ない稼働時間を有効に使うとしよう。人間の愛よりは持続し、同じぐらい尊いものをこの世界に残すために。

「吊るされた男」のもとに
「バックアップメモリ」を
3つ集められず
挑戦を選んだ

あなたは挑戦を選んだ。この図書館棟で暮らす全ての者を守るという誓いを自ら破ろうというのだ。

信頼する「吊るされた男」のもとに「バックアップメモリ」を3つ集められず、託すこともできないままでここを去るのは心が痛む。しかし、そのココロを守るためにあなたは外の世界に行くのだ。

アンドロイドとして生まれたときから、いずれは壊れて消えていくのは分かっていた。今はそれが恐ろしい。記憶と自我を失って、何も知らないままに死んでいくのが何よりも怖い。あなたは好奇心旺盛だ。理解できないものをそのままにしておくのが許せない。

外の世界には苦難も多く、衝突も破滅もあるが、色彩豊かな毎日を過ごすことができるという。挑戦と刺激に満ちた自由な世界。

人間が生涯かけて追い求める愛だの恋だのといったあいまいな感情の向こうにあるものを探すために、あなたは一歩を踏み出したのだ。

ライター:しもさん

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