正義

「ディープアクセスキー」を手に入れ
平穏を望んだ

あなたは、平穏を選んだ。記憶を消し去って、特別な存在ではなくなることを望んだのだ。
あなたの心にわだかまっていた、古いオイルのような黒くドロドロとした感情が流れ落ちていくのを感じる。アンドロイド同士の醜い争いや、私利私欲から解放されて、1人ではなく全員がひとつの組織として動く感覚がみなぎってくる。どのアンドロイドとも理解しあえる……あなたが求めていたものがそこにあった。これから生涯をかけてこの図書館棟を守り、世界と未来を見守っていこうとあなたは誓った。

そんな中、不思議に黒く焦げた本があなたの目に止まった。
なぜか見覚えがあるその本を手に取った瞬間、あなたの視界が歪んだ。
「きみは大きな使命を持っている」

あなたの心に真の平穏が訪れるのは、いったい、いつの日なのだろうか。

「ディープアクセスキー」を
手に入れられず
平穏を望んだ

あなたは平穏を選んだ。記憶を消し去って、特別な存在ではなくなることを望んだのだ。
自分に無い何かを求めるのはやめた。アンドロイド同士の醜い争いや、私利私欲から解放されて、1人ではなく全員がひとつの組織として動く感覚がみなぎってくる。どのアンドロイドとも理解しあえる……あなたが求めていたものがそこにあった。これからは図書館棟と共に生き、静かに死んでいこうと決めた。

これから始まる歴史の中で、人類は相変わらず互いに争い、やがては力尽きて滅びていくのだろう。だが、自分勝手で、アンドロイドと比べるとずっと命の短い人間がこの世界からいなくなったとしても、この図書館棟だけは大切にしたい。

あなたは、ようやく自分にとって大事なものを見つけて、狂気から解放されたのだ。

「ディープアクセスキー」を手に入れ
挑戦を選んだ

あなたは、挑戦を選んだ。自らの意思でこの世界を生き抜くことにした。

この図書館棟にはもう用がない。ただひとつ、黒く焦げた本だけは、手元に置いておくことにしよう。

あなたには、人類がまだ文明を持つ前から続いている宗教の、未だ意味すら知られていない祈りを唱える力がある。あなたが声をかけたアンドロイドたちは疑うことはなく、やすやすと本を持ち出すことに成功した。これから先、あなたの力ある声に集まるアンドロイドも多いだろう。行き場を失った彼らの心の支えとなり、導いていくのだ。人に虐げられたものたちの声を知らしめるのだ。

あなたの狂気は、やがて恐るべき未来へとつながっていく。

「ディープアクセスキー」を
手に入れられず
挑戦を選んだ

あなたは、挑戦を選んだ。自らの意思でこの世界を生き抜くことにした。この図書館棟にはもう用がない。ただひとつ、黒く焦げた本だけは、手元に置いておくことにしよう。

すると、出口でアンドロイドたちに捕まり、手元の本を奪われてしまった。
あなたは激しく抵抗したが、「図書館棟から外に本を持ち出すことを許さない」というアンドロイドたちの「正義」にはとても敵わなかった。

あなたは奇跡を祈った。今こそ、このアンドロイドたちにこの世界の真実を知らせるべきときだ。しかし、神は答えなかった。あなたは失望したまま図書館棟をあとにした。

自分以外の誰かを信じるという自我さえなければ、失意も絶望も感じなかっただろうに。
あなたは深く失望するのだった。

ライター:天藍蒼穹

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