吊るされた男

「バックアップメモリ」を3つ集め
平穏を望んだ

あなたは平穏を望んだ。

度重なる献身によってあなたの身体は限界だ。このまま外の世界に出て行っても数年ともたずに機能を停止してしまうだろう。それならばここに残り、少しでも生きながらえて、これまで通り多くの命を救おうと思ったのだ。

あなたは「バックアップメモリ」を3つ集め「法王」の後継者たる権利を得た。「法王」はもう永くない。責任を持って業務を引き継ぎ、この図書館棟のすべてを守ろう。あなたはようやく気付いたのだ。他者に尽くし、誰かの命を守ることこそがあなたの魂(アニマ)の平穏につながっていたことを。

たとえ記憶や自我を失っても、あなたの根底に流れる信念はきっと色あせることはないだろう。

未来を守るのがあなたの使命だ。人間の未来も、アンドロイドの未来も。

「バックアップメモリ」を
3つ集められず
平穏を望んだ

あなたは平穏を望んだ。

度重なる献身によってあなたの身体は限界だ。このまま外の世界に出て行っても数年ともたずに機能を停止してしまうだろう。それならばここに残り、ひとつでも多くの命を救ってから穏やかに動けなくなる道を選ぶのも悪くないと思ったのだ。

あなたは残念ながら「バックアップメモリ」を3つ集められず、「法王」の後継者たる権利を得られなかった。それでも良いと思っている。「法王」亡きあと、新たに責任者となった者を全力で支援していこう。

記憶と自我を失えば、またあなたは今まで通り、いちアンドロイドとして自分の身体を壊してまでも他者を救おうとするだろう。しかし忘れないで欲しい。

たとえプログラムされた行動だったとしても、誰かの未来を守るのがあなたの幸せなのだということを。

「バックアップメモリ」を3つ集め
挑戦を選んだ

あなたは刺激に満ちた世界へと踏み出すことにした。

これまでプログラムに従い、たくさんの命を救ってきた。そろそろあなた自身が報われてもいいときだ。

あなたは「バックアップメモリ」を3つ集め、「法王」の後継者たる権利を得た。「法王」はもう永くない。あなたが図書館棟を去れば、「法王」に何かあったときに速やかに業務を引き継げる者がいなくなり、混乱が起きるかもしれない。

構うものかとあなたは思う。それで図書館棟の運営が成り立たなくなるのなら、しょせんはそれまでだったということだ。

あなたは記憶と自我を得て、広い世界に羽ばたいていく。あとは残った者たちだけでうまくやってもらうとしよう。あなたが命をかけて救ってきた仲間たちだ。きっと上手くやってくれると信じている。次はあなたが幸せになる番だ。

ひとつの歴史が終わり、新たな未来の物語が始まる。

「バックアップメモリ」を
3つ集められず
挑戦を選んだ

あなたは刺激に満ちた世界へと踏み出すことにした。

これまでプログラムに従い、たくさんの命を救ってきた。そろそろあなた自身が報われてもいいときだ。

あなたは「バックアップメモリ」を3つ集められず、「法王」の後継者たる権利も得られなかった。それで良かったとあなたは思う。「法王」はもう永くない。しかし、「バックアップメモリ」が図書館棟内に残ってさえいれば、仲間の誰かが速やかに業務を引き継ぎ、大きな混乱もなく歴史は続いていくだろう。あとはあなたが命をかけて守った者たちの力を信じよう。

さあ、今こそ自由の世界へ羽ばたこう。記憶と自我という大きな翼をはためかせ、あなた自身の未来のために旅立つときがやって来た。これから先は誰かのためでなく、プログラムされたからでもなく、自分のために、自分の意志で生きていくのだ。

ライター:しもさん

エンディング一覧へ

※タロット画像はSNSに感想を投稿する際に限りご利用いただけます。
※感想を投稿する際はぜひ「#マダミスアニマ」のハッシュタグをご利用ください。