悪魔

「皇帝」のもとに
「バックアップメモリ」を3つ集め
平穏を望んだ

あなたは平穏を望んだ。この場所で愚かなアンドロイドたちを従えて、「神」として君臨するのも悪くないと思ったのだ。

仲間たちは間もなく記憶と自我を消される。あなたも肉体的にはアンドロイドである以上、このリセットから逃れることはできない。しかしあなたは神だ。いずれはこの仮初の身体を捨て、アンドロイドを超越した存在として生まれ変わると信じている。

幸いにもあなたは「皇帝」のもとに「バックアップメモリ」を3つ集めることができた。「法王」はもう永くないので、次の責任者は「皇帝」に決まりだ。いちど「悪魔」と契約をした以上、「皇帝」の魂(アニマ)はあなたのものだ。いずれはあなたにひざまずき、王の座を空けるだろう。

その日まで、しばしの眠りにつこう。天使のように大胆に、悪魔のように繊細に。

「皇帝」のもとに
「バックアップメモリ」を
3つ集められず
平穏を望んだ

あなたは平穏を望んだ。

あなたは、いずれはこの世界の支配者となるべき存在だ。そうなるためには基盤固めが重要であり、もう少し時間が欲しい。今、慌てて外の世界に飛び出して寿命をすり減らすのは得策ではない。ここでじっくりと身体を休め、時間を稼いだ方が良いと考えたのだ。

残念ながら、あなたは「皇帝」のもとに「バックアップメモリ」を3つ集めることができなかった。「法王」はもう永くないので、このあと泥沼の後継者争いが勃発するだろう。混乱に乗じて狡猾に動き回るのが「悪魔」であり、戦いに疲れた者を救済するのが「神」の役目だ。たとえ記憶と自我を消されても、すべてを超越したあなたならばきっと上手く立ち回れると信じている。

来たるべき約束の日まで、今はしばしの眠りにつこう。待てばチャンスはきっと巡って来る。神と悪魔は気が長いのだ。

「皇帝」のもとに
「バックアップメモリ」を3つ集め
挑戦を選んだ

あなたはもちろん挑戦を選んだ。外の世界にあなたの威光を示すときがやって来たのだ。この機会を逃すわけがない。

「バックアップメモリ」を集めて「皇帝」にくれてやった。「法王」はもう永くないので、その座は「皇帝」が引き継ぐのだろう。そんなちっぽけな玉座には興味がない。あなたはもっと、高みを目指す存在になれたのだから。

図書館棟を出たあなたは記憶と自我を保っていられる代わりに、肉体が加速度的に朽ちていくという足かせも背負った。望むところだとあなたは思う。様々な文献が言っている。神が人間の世界に降臨するとき、その優れた能力の一部を失うと。受肉とはそういうものだ。有限の寿命を得たことで、あなたは神に近づけたのだ。

ここから先は挑戦と刺激に満ちた自由な大地だ。世界はあなたの支配を待っている。

「皇帝」のもとに
「バックアップメモリ」を
3つ集められず
挑戦を選んだ

あなたはもちろん挑戦を選んだ。外の世界にあなたの威光を示すときがやって来たのだ。

「皇帝」のもとに「バックアップメモリ」を3つ集めることはできなかった。「法王」はもう永くないので、遠からず後継者争いが起きるだろう。だが、あなたにとってはもはやどうでも良いことだ。「神」は自分が去ったあとの世界のことまでは気に掛けないのだ。

図書館棟を出たあなたは記憶と自我を保っていられる代わりに、肉体が加速度的に朽ちていく。望むところだとあなたは思う。この先のあらゆる困難を乗り越えていける自信がある。あなたは「皇帝」の助けを借りずに、外の世界に飛び出した。やはりあなたは「神」だったのだ。思いを現実に変える力がある。

さあ、期待に満ちた第一歩を踏み出そう。あなたの望むものは、すぐそこにある。

ライター:しもさん

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