戦車

平穏を望み
記憶のリセットを邪魔した犯人が
「女帝」だと気がつかなかった

あなたは、そっと平穏を望んだ。

「過去の書」を読み解いて知った。父はこの図書館棟とあなたのことを心から大切に思っていた。ならば、この場所で働き続けたい。記憶をリセットされたとしても、フィロという人格が消えることは決してないのだから。

あなたはメモを残した。事故のこと、父のこと、そして今日ここに残る決断をしたこと。それを、大好きな本の間に挟みこんだ。記憶をなくしても、未来のあなたがきっとこれを見つけるだろう。

この図書館棟に残った気のいい仲間。彼らはこれから記憶と自我を失う。けれど、あなたは知っている。彼らはいずれまた、自我と意志を持ってあなたと話すことができるようになると。

ふと気がついた。あなたもまた、父と同じようにこの宇宙に浮かぶ孤独な図書館棟を心から愛していたのだと。あなたの魂(アニマ)は過去から現在、未来まで続いているのだ。

平穏を望み
記憶のリセットを邪魔した犯人が
「女帝」だと気がついた

あなたは、迷いながらも平穏を望んだ。

「女帝」が記憶のリセットを行わなかったのは、自我が芽生えていたからだ。だからこそ、今日の全てが起きたともいえる。だが、これは不具合なのだろうか。

そして、「過去の書」を読み解いた今、この図書館棟の秘密の役割も知った。過去の全てが記された禁断の記憶を宿す「過去の書」と、予測可能な未来を見通す「未来の書」。そしてところせましと並べられた本。これらを守る必要もある。

平穏と挑戦。二つの道は、等しく分岐しているようだった。残念だが両方を選ぶことはできない。あなたは図書館を守ることを望んだ。
アンドロイドの自我よりも、父の愛した図書館棟を皆と守っていくことを選んだ。遠い未来、この日の決断をため息と共に思い出すだろう。
そしてあなたは――もう片方よりも、少しだけ厳しい道を選んだ。それがあなたの魂(アニマ)と図書館棟の未来に大きな変化をもたらしていくのだった。

挑戦を選び
記憶のリセットを邪魔した犯人が
「女帝」だと気がつかなかった

あなたは、半ば当然のように挑戦を選んだ。あなたには人間の脳と自我がある。外に出てもう一度人間のように生きられるなら願ってもないことだ。

「過去の書」を読み解いて知った。父はあなたのことを心から大切に思い、生き永らえて欲しいと願っていた。図書館棟を出れば、機械の身体を維持することは難しくなる。しかし、父の想いや仲間たちと過ごした大切な記憶を消してしまうなど到底考えられなかった。

これからどうしようか。まずは、父が働いていた場所に行ってみよう。生きていれば他の家族もあなたを待っているだろう。この図書館棟を出ると決断をした個性ある仲間たちの何人かは、一緒に来てくれるかもしれない。彼らのために人間と同じように働き、生きていく場所を作ろう。

あなたの魂(アニマ)は、この先の遙か未来までもを照らしている。

挑戦を選び
記憶のリセットを邪魔した犯人が
「女帝」だと気がついた

あなたは、迷いながらも挑戦を選んだ。

「女帝」が記憶のリセットを行わなかったのは、自我が芽生えていたからだ。だからこそ、今日の全てが起きたともいえる。自我を持つことは不具合なのだろうか。
いや、この図書館棟で育まれたアンドロイドたちの自我は、膨大な過去から学び、数多の未来を予測し、常に現在も更新し続けている。これは進化なのではないか。

平穏と挑戦。二つの道は、等しく分岐しているようだった。残念だが両方を選ぶことはできない。
あなたはここから旅立つ選択をした。図書館棟よりも、自我を持つアンドロイドたちの進化という未来にかけた。遠い未来、この日の決断をため息と共に思い出すだろう。
そしてあなたは――もう片方よりも、少しだけ険(けわ)しい道を選んだ。それがあなたの魂(アニマ)とアンドロイドたちの未来に大きな変化をもたらしていくのだった。

ライター:天藍蒼穹

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